住宅ローンでマイホームを購入したら、当たり前のように住宅ローン控除を受けられると思いがちです。
しかし、意外と細かい要件もあり、その要件を満たさないと住宅ローン控除の適用を受けられませんので注意が必要です。
今回は住宅ローン控除を受けられないケースを確認していきます。
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家屋は自己資金で、土地はローンで購入した場合
住宅ローン控除は原則として、住宅ローンで購入した家屋について適用があるものです。
ですので、住宅ローンで家屋と一緒に購入した土地については住宅ローン控除の適用がありますが、家屋は自己資金で、土地はローンで購入した場合には、住宅ローン控除の適用はありません。
この場合は、家屋を住宅ローンで、土地を自己資金で購入すれば、住宅ローン控除が適用されます。
返済期間が10年未満の住宅ローン
住宅ローン控除は、住宅ローンの返済期間が10年以上の場合に適用があります。
10年未満の短い返済期間の住宅ローンでは、住宅ローン控除の適用はありません。
よくあるのが、当初は10年以上の返済期間だったのが、繰上返済をしたために10年未満の返済期間になった場合は、返済期間が10年未満となった年分から住宅ローン控除の適用がなくなります(過年分にさかのぼって取り消されることはありません)。
建物の床面積が50㎡未満
床面積が50㎡以上の家屋が住宅ローン控除の対象になります。
単身者向けのマンションなどでは住宅ローン控除を使えないことが多いです。
なお、店舗併用住宅の場合は、居住用部分・店舗用部分の床面積の合計が50㎡以上であれば適用を受けることができます。
合計所得金額が3,000万円超
住宅ローン控除は所得が多い方は適用を受けることができません。
その所得とは、合計所得金額というもので、この合計所得金額が3,000万円以下の場合には住宅ローン控除を受けられますが、3,000万円を超える場合には適用を受けることができません。
この場合の合計所得金額とは、各種所得控除を控除する前の所得金額で、かつ、前年以前からの繰越損失を控除する前の金額をいいます。
前年までは住宅ローン控除を受けられていたのに、その年は臨時的に不動産の譲渡益や株式の売買益があるため、適用を受けられないということもあります。
取得から6ヶ月以内に居住していない
取得日から6ヶ月以内に居住開始しないと住宅ローン控除の適用はありません。
一般的に居住を開始した日は住民票の異動日で判断しますので、取得日から6ヶ月以内に住民票を移しておきましょう。
ただし、住民票の異動日よりも前に実際に居住開始している場合には、公共料金の領収証などで証明することもできます。
その年の12月31日において居住していない
その年の1月1日から12月30日まで居住していたとしても、12月31日に居住していなければ住宅ローン控除の適用はありません。
単身赴任の場合は、家族がその家屋に12月31日時点で居住していれば、住宅ローン控除の適用はあります。
店舗併用住宅で居住用部分が1/2未満
店舗併用住宅の場合でも、居住用部分については住宅ローン控除の適用がありますが、居住用部分の床面積が全体の1/2以上であることが要件となっています。
居住用財産を譲渡した場合の課税の特例を受けた、または受ける場合
居住年、居住年の前年、居住年の前々年、居住年の翌年、居住年の翌々年に居住用財産を譲渡した場合の課税の特例の適用がある場合には、住宅ローン控除の適用を受けることができません。
居住用財産を譲渡した場合の課税の特例とは、3,000万円の特別控除や、税率が15%から10%になる税額軽減、課税の繰延などをいいます。
よくあるケースとしては、マイホームを譲渡した場合に譲渡益が発生したため3,000万円控除を使った年、また翌年に新たなマイホームについて住宅ローンを組むときがあります。
この場合、新マイホームにかかる住宅ローンについては住宅ローン控除を受けることができません。
新マイホームについて住宅ローン控除の適用を受ける場合には、旧マイホームについて3,000万円控除の適用を受けないようにする必要があります。
なお、マイホームの買い換えによる譲渡損失が発生した場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除を受ける場合には、新マイホームについて住宅ローン控除の適用を受けることができます。
まとめ
住宅ローン控除は、住宅ローンを組めば誰でも適用を受けられるイメージがありますが、実は細かな要件がありますので注意しましょう。
一度、住宅ローン控除の適用を受けられたとしても、その後の状況(返済期間、居住状況、合計所得金額)により適用を受けられない年が発生することがありますので、毎年確認しておきましょう。